09232020

7:00起床。空腹に耐えきれず起床することを恥ずかしく思う。朝ごはん、穴子寿司とあさりのお味噌汁。朝までお酒を浴びる覚悟で顔と肝臓を整えていったのに、終電に近づく自分の意識は携帯に表示される時計にしっかり操られていた昨夜のことを思い出す。最近、こいつ馬鹿だなと思う人が「馬鹿になりたい」と言っていたことを思い出して、私の馬鹿になりたいはあいつ以上の馬鹿になりたいなんだよな、と思いながら精算。駅のホームで、自分のプチ自棄酒に付き合ってもらった友人を運ぶ電車に大きく手を振りながら目の前の柱に思いっきりぶつかるなど、それに人気の少ないホームで一人でゲラゲラ笑えるくらいの余裕を確認した。
 

朝。先週誕生日に両親から貰った財布を私は世界一可愛いと思ってるわけですが、乾ききらないマニキュアをしたまま財布を持ったせいで財布にマニキュアが付着した。除光液でこすると気に入っていた財布のチャコールグレーがあれよあれよと剥がれていく。世界一可愛い財布が世界一であれたのはたった1週間だけ。先日、他人に強いプレッシャーを与えていたことを知った落ち込みがまだ消化されていないというのに、絶望が何重にも積み重なろうとしている。イヤホンからは私のモチベーションを強引に底上げしようとするmuramasaの1stアルバムが聴こえてる。ショックで私の体が静止したせいで、音楽の外側の環境音までも聴こえそう。ここで座り込んだら、音楽を止めたら、私は今日だけじゃない、多分全てを失う。鞭を打たなば。どこかに放り捨てたはずの反骨精神とやらをしばく時。

 

ずっと楽しみにしていた映画を観る。のっけからポップコーンに私の全てが囚われていたので集中力ゼロで見始めて時々あくびをしながら映画が終わる。何の意味もわからなかった。2時間半が生んだのは、多分アイツがアイツを殺したんだろうなという、結末まで見たはずなのに予想だけが残ったまま空になったポップコーンのバケツをスタッフに差し出す自分を嫌いになりかける。'I hate myself!'みたいなEDM調の曲があって、そんなもので自己嫌悪を消化できるようになった自分を誇らしく思う気持ちと、気付きたくない諦念とが、鼓膜を通って交差する。

 

家族で誕生日会をすると毎回締めに抱負を聞かれるはずが、今年は聞かれなかったので掃き溜めに吐き溜めます。

服従しない。ボコボコにされない。

生きるの大変。命は自由にかけられるはずなのに、大事だとすぐ命かけちゃうのなんなんだ?朝起きるのも寝るのも大変になってきちゃってるので、とりあえず自分の調子を悪くさせる要因に跪くのはもうやめようと思います。自分をボコボコにしてくるやつなんて、そもそも許さなくていいです。選ばなくていいです。

捨て身で確信のないものに命をかけたりすることを美徳とする自分の時代の終わりを見ました。私が立ち直れないくらいボコされちゃったときに救助してくれる船も消えた。

好きの気持ちだけで自分を大事にできた試しがないので、好きの気持ちだけでなんでもできてしまえなくてごめん。私がボコされる意味がわからん、の一刀両断で捨て去ることにします。

自分が大切にすべきものリストに人を選び、リスクをアドレナリンと捉えられる人生を胸張って選べるようになりませんように。最後に選べるのはたったひとつという真理を完全に忘れて抜け出せない穴に落ちませんように。

これらを意志にできないのは自分の弱さと分かった上で、今のところの希望ということにさせてもらいます。大丈夫だと思う。繰り返すことなど心配されなくても、繰り返すことなど不可能ですから。なぜなら命はひとつ。

 

おかげさまで、今年の抱負は年齢相応の貯金額を言えるようになることです、のような陳腐な嘘を両親の前で言わずに済みましたありがとうございます。